○小さき者へ○重松清○
ネタバレに考慮してません!ご注意!
重松さんの、家族、父親がテーマの短編集。
それぞれが独立したお話で、関連性はないのですが……
どの親も。どの子も。とても他人事とは思えないお話でした。
『海まで』
『フイッチのイッチ』
『小さき者へ』
『団旗はためくもとに』
『青あざのトナカイ』
『三月行進曲』
それぞれが、色々な問題を抱えている主人公。
一番、うぐ。っと泣かされてしまったのが、タイトルにもなってる『小さき者へ』
不登校の息子に対して、どう接していいのか分からない父親。
母親も、もちろん父である彼も非常に追い詰められてます。
息子も日に日に、状況が悪化。
そんな中、彼は息子に対して手紙を書くんです。
手紙といっても、自分が今の息子と同じ14歳の頃のこと。
ビートルズに夢中だった…そして、一つの過ちを犯してしまったあの頃のこと。
書き綴っていくうちに、自分を振り返りつつ息子を理解してゆくのだけど……
手紙を息子に渡しているわけではないので、息子の態度は酷くなりとうとう暴力まで。
それでも彼は逃げなかった。
自分の手の内に余る息子。それでも愛しい存在に変わりない。
愛が伝わらなくなったのは、いつからだったのか。
普通に読んでいて、もう号泣…というわけじゃなかったんだけど
彼自身も、会社は倒産寸前。息子は、引きこもりの家庭内暴力。
そんなボロボロな中で、自分の父親への懺悔をしつつ(彼もまた父親との関係に難あり)
息子との距離を縮めようと努力して……
ラスト近くでの、モノローグ。
部屋のドアをノックさせてくれ。「早く出てこい」と言うためではなく、「お父さんはここにいるからな」と伝えるために、ノックをつづけさせてくれ。
ビートルズを聴こう。
親は、どんなときにもベスト盤を子どものために、よかれと思って選んでしまうものなんだな。そして、子どものほんとうに聴きたい曲にかぎってベスト盤には入っていないんだな。
まだ間に合う、と信じていいか?
ここで、もう、うぐぐぐぐ。と、きました。
そしてラストで、ボロッと。
いつか、3人でビートルズ聞ける日がくるといいね。
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